美味しい炊き方

幻のお米『朝日米』が育んだ栄養素を丸ごと味わおうと思ったら「玄米」で炊飯するのがベストです。

炊飯器は「圧力鍋」「炊飯専用土鍋」「玄米モード付き電気炊飯器」の中から、使いやすいものを選べばいいでしょう。柔らかさの中に、噛みしめる喜びを加味したかったら、圧力鍋で炊くことをオススメします。

いずれにせよ、美味しく仕上げるポイントは 研ぎ(とぎ)。その秘訣を、順を追って解説します。

玄米の構造…亜糊粉層(あこふんそう)が重要

上手に研ぐためには、玄米の構造を知っておいたほうがいいでしょう。栄養面では胚芽・ヌカ層・亜糊粉層をいただくことが大事。食味のうえでは亜糊粉層を残しておくことがポイントになります。そうすれば 白米(亜糊粉層が削り取られている)よりも美味しい玄米を召し上がれます。

玄米の構造

ロウ層

玄米の表面にある 硬くて防水性の高い皮膜。浸水や炊飯に時間がかかり、食味が硬めなのは、ロウ層の影響です。

糠(ヌカ)層

ビタミンE(抗酸化力に優れる)、γ-オリザノール(コレステロールの吸収を妨ぐ)、フェルラ酸(脳機能や高血圧を改善する)、ビタミンB群(新陳代謝を活発にする)など、玄米の9割以上の栄養素が含まれている層。食物繊維やミネラルも豊富です。どちらかといえば素朴な食感と風味を持っています。

亜糊粉(あこふん)層

糠層とでんぷん層の間にある、厚さ数ミクロンの層。甘味や旨味につながる成分が豊富で、とても美味しい部分です。自然免疫力を高めるリポポリサッカライド(LPS)やミネラルも含まれています。

でんぷん層

胚乳。白米と呼ばれる部分。

胚芽

お米の種子部分。ビタミンE、ビタミンB1、食物繊維が豊富。

「研ぎ」でロウ層に傷を付ける

玄米の構造を知ると「ヌカの栄養素は残しながら、硬くて水をはじくロウ層を何とかしたい」と思うでしょう。

はい、大丈夫! 以下の手順で玄米を研げば、ロウ層に傷が付いて浸水しやすくなり、おいしく炊きあがります。

玄米の研ぎ方

1:分量の玄米(1合=150g)をボウルに入れてサッと洗ったら、ザルに開けて水を切ります。1回目の水が最も吸収されるので、浄水器を通すなどした「キレイな水」を使い、すぐに捨ててください。

2:ザルごとボウルに入れて、水道水(浄水器を通した水が望ましい)を かけ流し ながら、ホイッパー(泡だて器)で左回り(反時計回り)に ガシャガシャ と玄米を混ぜます。5分間が目安。この過程で玄米の ロウ層に傷が付き、水が浸透しやすくなります。 ※「左回り」に回したほうが浸水しやすくなります。

3:ボウルに玄米が浸る程度の水を入れて 冷蔵庫で浸水させます。お米を冷やしたほうが、甘みが増します。圧力釜で炊く場合は1時間程度、土鍋や電気炊飯器で炊く場合は2時間~6時間が目安。詳しくは炊飯器の取扱説明書を参照してください。

4:ザルにあげて、水気をしっかり切ったら、炊飯器の取扱説明書に沿って 水加減 を調整します。このとき「隠し調味料」として 天然塩 を加えると、お米の旨味を引き出せます。塩加減は1合あたり0.8gが目安。小豆や黒米を加えてもいいでしょう。

5:炊飯器の取り扱い説明書に沿って炊飯→蒸らしを行います。水加減、火加減、塩加減は、何度か炊きながら微調整してください。

6:蒸らしを終えたら、しゃもじで混ぜる。電気炊飯器の場合は、内釜の側面に玄米が付くと乾燥しやすいので、山のように盛って 保温しておきます。

玄米がどうしても苦手なら「3分づき」で

どうしても玄米が苦手という方は、コイン精米機などで「2~3分づき」に精米してみてください。この程度なら、旨味が詰まった「亜糊粉層」が残りますし、糠層に含まれているビタミンやミネラル、食物繊維もある程度いただくことができます。炊飯の仕方は白米と同様です。

改めて整理しておきましょう。おいしく炊くコツは……

●ホイッパーでガシャガシャ研いでロウ層に傷を付けること

●一合あたり0.8gの天然塩を加えて炊くこと

水加減、火加減、塩加減はあれこれ試しながら、マイベストを探ってみてください。このプロセスも大きな楽しみです♪ 吸水時間については「玄米は身体に悪い?」の記事も参考になります。


《参考》ウェブマスターが愛用している炊飯専用の土鍋が HARIO・フタがガラスのご飯釜(2~3合 萬古焼)GNR-200-B-AZ です。中が見えるのは、なにかと便利! 分づき米なら、おこげも楽しめます。

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